創作意欲が湧くのは人の心の動きに触れた時。アートはコミュニケーションツール
この記事は2019年2月取材時点での情報です
【幸せづくり】
HS-LAB
シマムラヒロシさん
22歳でバルセロナに渡ったシマムラヒロシさん。「3年以内に個展ができなければ日本に帰ろう」と決意していましたが、1年ほどで個展を開くことができさまざまなオファーが来るまでに。13年ほど活動した後に帰国。妻の地元である三原に根を下ろし、元々祖父母が暮らしていた家にデザイン事務所兼アトリエとして移り住み、アトリエでは、自信の制作とワークショップなどで活動しています。
三原の町の人の表情や心模様が、創作の起点になることも
アトリエは三原駅から約1kmほどの川沿いにあります。
1階は、主にデザイン事務所(DTP・ホームページ・グッズ制作など)として機能しており、地下のアトリエでは、県内はもとより全国へ作品を発信しています。
ポップで鮮やかで、現代社会へのメッセージ性も感じ取れるシマムラさんの作品は、例えば町でぼんやりした人、無心に食事をする人、何か言いたげにしている人といった、人の心の動きや表情からヒントを得ることがあると語ります。
もっと多くの人に知ってもらうために、自らコミュニケーション
「作品を作るからには自分の作品に責任を持ちたい」と話すシマムラさん。「責任」とは自分の作品についてちゃんと説明できること。つまりコンセプトがしっかりあることで、そうでないとアート作品として成立しないと言います。コンセプトを理解してもらうため、そしてアートの楽しさを持ってもらうために、シマムラさんは日頃から積極的に人とのコミュニケーションをとっていると話します。
それにはまず『アート』という敷居の高さを取り払うこと。
そのため以前アトリエにしていた三原駅前の映画館では、市民に自由に壁画を楽しんでもらう企画やアートイベントを行ったり、現在もワークショップやデザイン教室を企画したりするなど、アートの面白さや楽しさをより多くの人に広めています。
これからも場所や作風にこだわらず自由に、軽やかに作りたい
シマムラさんの作品作りは、パソコンのグラフィックソフトを使って原案を描くことから始まります。
また写真を使った作品は、撮影も加工も自らの手で行われています。
こうして作品に思いを込めながら、思いのまま作ることが楽しいのだそう。
最近では広島市内にある『広島ゲストハウス縁』の企画で、広島県23市町別にベッドに装飾を施す企画で地元である「三原」を担当しました。やっさ祭りや踊りの手の動きをモチーフにした部屋が話題にもなりました。
「これからも三原を拠点に、フットワークよく活動していきたいですね」とシマムラさん。目の前に海がある緩やかな三原の風景に癒されながら、ますます活躍してくれそうです。