ファインダーの向こうにある、表情豊かな三原の風景。その美しさを多くの人に伝えたい
この記事は、2019年2月取材時点での情報です
【幸せづくり】
藤原敏明(ふじわら としあき)さん
写真撮影を始めたきっかけは我が子の誕生。
その成長を撮り続けてきましたが、子どもが大きくなり風景写真へと転向します。
幻想的な海霧の写真が三原市の観光写真コンテスト最優秀賞に選ばれ、ますます撮影に夢中に。
希少な生き物、伝統行事など、三原の美しい景色と風土を切り取った一枚は、多くの人を魅了し続けています。
子どもの誕生が撮影を始めたきっかけ。賞が励みとなり夢中に
子どもの誕生がきっかけで写真を撮り始めたという藤原さん。
幼い頃はもちろん、学校行事のたびに出かけては運動会などで活躍する我が子の姿を撮り続けてきました。
「自分のところだけじゃなくて友達も。うまく撮れた写真をプレゼントすることもありましたね」。
「でも、高校生ぐらいからかな。撮られるのが恥ずかしくなったみたいで」。
機材をそろえ、せっかく磨いたカメラの腕前。ならば風景写真に転向しようと、初めて挑戦したのが筆影山から撮る海霧の様子でした。
県外からも多くのカメラマンが撮影に訪れる幻想的な海霧。
地元に住んでいる自分ならば足を運べる数も多く、きっと良いものが撮れるのではないかと考えたそうです。
最高の瞬間を捉えるため足しげく通い、会心の一枚を三原市の観光写真コンテストに出品したところ、最優秀賞を受賞。
「賞をもらうと励みになりますね。それからすっかりはまってしまいました」。
季節や時刻によって変わる、三原の多彩な情景に魅せられて
「カメラマンにも二通りあると思うんです。大体撮り尽くしたら新しいテーマを求める人と、じっくり同じテーマで撮り続ける人と。私は明らかに後者ですね」。
海霧以外にも、三原には美しい景色や風土があります。
それを細部まで撮ってみたいと、希少な生き物(写真は体長2cmほどのハッチョウトンボ)や伝統行事を被写体にシャッターを切り続けました。
「同じ場所でもね、季節や時間帯が変わるだけで全然違うものが撮れるんですよ」。
整理されたファイルには、思わずため息が出るような美しい写真がずらりと並びます。
「広島空港にも撮影によく行きます。朝日に向かって飛び立つ機体、夕焼けの空港、月を背景にした旅客機など、ドラマチックだったり叙情(じょじょう)的だったり、雰囲気が変わるでしょう。そこがおもしろいんです」。
さまざまな切り口で三原の情景を映し出す藤原さんの写真は評判を呼び、観光協会のパンフレットや広報誌の中でも度々活用されているそう。市内外に三原の美しさを発信しています。
海、山、空。その3つがそろって織りなす美しさが三原の良いところ
現在は中国新聞写真クラブ三原支部の世話役をしながら、カルチャーセンターで写真教室の講師も務める藤原さん。
個人で新聞や雑誌への投稿も続けているため、藤原さんの写真を見た人からは「三原にあんなに美しい場所があったとは」「いつも楽しみにしています」といった声が寄せられています。
「写真を見てもらうことで、この土地のファンが増えてくれるといいですね」。
自然や伝統行事、カメラを通して三原を知り尽くしている藤原さんに良いところを尋ねてみると「市のキャッチフレーズ通り。『海・山・空 夢ひらくまち』。3つそろった素晴らしい景色が楽しめるのは、他にないと思います」という答えが返ってきました。
藤原さんの写真に共感し、三原を訪れてみたいと感じる人がこれからますます増えるかもしれません。