Vol.5 600人以上が集まる地域が一体となる行事 西小学校区とんどまつり

開催時期:1月中旬の日曜日
「とんど」とは、正月にお迎えした神様をしめ縄などの正月飾りとともに火でお送りし、豊作や無病息災を願う行事。全国各地に見られ、「どんど」「左義長(さぎちょう)」などとも言われています

くみ上げた西小のとんど

 校庭の真ん中に立つ約10メートルもの竹とその上部に輪が2つあるのが西小学校の「とんど」の形です。使用する竹は尾道市原田町から切り出し運び、前日にクレーンを使って組み立てます。仕上げに各家庭のお正月飾りを付けたら完成です。材料を集めてくるのも大変で、細かな材料が集まらない 時には 、代用品を使うなど、工夫しながら作っています。準備には地元中学生も参加し、正月飾りについているプラスチック類を取り除く作業を手伝います。

竹林から自分たちで切り出します
クレーンを使って飾りつけも行います

 西小学校のとんどが始まったのは、今から36年前。当時の西小学校のPTA役員が、「子どもたちの心に残る思い出を作りたい」と考え提案したのが始まりでした。かつては各地区単位で行われていた「とんど」ですが、開催地として使われていた田んぼの減少とともに、徐々に廃れていき、10年ほど行われていなかった地域もあったと言います。
 そこで、小学校の校庭を借りて、各町内会や老人クラブ、地域のスポーツクラブなどが協力し、1つの大規模な「とんど祭り」として復活させました。とんどの形は当時の老人クラブに教わったもので、現在も形を変えず続けています。

当日は600人以上が集まります

 祭り当日は西小学校区全体から600人以上が集まります。 各団体が出店するバザーもあり、中でも小学生が販売する地域の特産品である梅を使ったジュースやスイーツは大人気ですぐに売り切れてしまいます。会場の整理には中学生も参加して、小・中学生が祭りの担い手として大いに盛り上げます。

地域の多くの団体がバザーを出店
子どもたちも担い手として祭りを盛り上げ上げます


 「とんど」への点火・消火は地元の消防団が担います。残った灰は地域の梅林の肥料として使われ、灰の撤去までしっかりおこない、キレイな状態にして、小学校へお返します。
子ども達の思い出に残る行事として提案されて始まった西小学校のとんど祭りは、準備から片づけまで、子どもからお年寄りまで地域が一体となり開催される、地域に欠かせない行事です。

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