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Vol5 佛通寺里山和蜜倶楽部

 三原市高坂町で日本ミツバチを飼い、蜂蜜を採取したり、蜜蝋でろうそくやクリームを作っている団体「和蜜倶楽部」を取材しました。
「日本ミツバチと西洋ミツバチがいるんですね?」「ミツバチって冬を越すんですか?」「分蜂 (ぶんぽう )って何ですか」そんな素人丸出しの質問だらけだった私ですが、取材が終わる頃には、すっかりイベントに参加してみたいと言う気持ちになっていました。


倶楽部の活動

 「和蜜倶楽部」は 2023年に創立 6年を迎えます。メンバーは 17名で (2022年12月時点)、何回も蜂蜜を採取しているベテランもいれば、新しく始める人もいます。
1年を通して、 1月の巣箱作りや巣箱設置、春の分蜂(ぶんぽう)群捕獲、夏の蜂蜜の採取、そして蜜蝋作りなど、ワークショップを年に 5回開いています。
分蜂とは、次の世代に家を継がせるため、蜂の群が半数ほどに、文字通り分かれていくことを指します。巣箱から出てくる群れを新しい巣箱に導けるかが鍵となるようです。
 ワークショップは巣箱作りから始まりますが、巣箱を作っておけば蜂が勝手に入ってきて、どんどんミツを集めてくれるというわけではありません。巣箱があっても蜂が全く来ない事はあるし、一度「入居」しても、逃げていってしまうことも。また、巣箱は新品の木の香りがするものよりも、屋外にしばらく置いて年季の入った巣箱の方が蜂が入ってくるのだそう。そこで、作ってから設置までに、巣箱を湯煎するワークもあります。


蜂を飼い始めて 20年

 会長の大上さんは趣味で蜂蜜を飼い始めてから 20年。知り合いにだんだんと広がっていき、倶楽部の創立につながりました。大上さんに 20年続いた秘訣を聞いてみると、蜂蜜をあげた友人から「元気になった!」や「蜜蝋クリームを塗って肌の調子が良くなった」と言う報告を聞くのが嬉しいからだと返ってきました。
 そして、一度集まった蜂はなぜ逃げてしまったのか、なぜ今年は蜜が少ないのか、と工夫しながら次は頑張ろう!と思うことも原動力になっています。 1年を通して蜂が元気でいてくれたら嬉しく、さらに蜂蜜を頂けたら歓びだと言います。
 大上さんも毎朝、蜂蜜を食べてることで元気になり、野山を歩き回って蜂を観察することができています。

蜂を通して自然について知る

 巣箱を作って設置し、アドバイスをもらいながら管理する「オーナー制度」も倶楽部では設けていますが、蜂蜜が全く取れないこともあり、自然の厳しさを知るきっかけになります。長雨が続いた年や、夏が暑すぎた時などはバテてしまったのか、どの巣箱からも蜂がいなくなってしまったこともありました。
 また、蜂が花粉を運ぶことで、植物たちの受粉を助けていますが、農薬で死んでしまったり、草花が減ってしまったりしていて、蜂自体の数もどんどん減ってしまっているそうです。
 そこで、大上さんたちは、蜂を飼うことを通して山に植林をするなど「グリーン アップ」活動も行っています。
 また、日本ミツバチが一生に集めてくるミツはスプーン 1さじほどなので、取れる蜜は貴重な貴重な頂きものです。蜂と言えば、刺されて危険なイメージもあるかもしれませんが、実は危害を加えなければ攻撃してくる事はなく、優しい性格だと言います。取材先に置いてあった巣箱を冬なのでいないかなぁと、私は素通りしてしまいそうになりましたが、実は蜂たちは巣箱の中で眠っているようです。「春までそっとしておくんよ。」そんな蜂の生き方や自然との関わりも、倶楽部では教えてくれます。

和蜜倶楽部では一緒に活動するメンバーやワークショップの参加者を募集しています。
興味のある方は、高坂自然休養村管理センター(0848-66-2683)までお問い合わせください。

この記事を担当しているママライターの紹介はこちらから↓↓↓
https://note.com/miharacity/n/n77f4f0543c64/edit

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