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カフェ、アンティークショップ、ゲストハウス。海辺の店舗が地域のにぎわいを生み出す


この記事は、2019年2月取材時点での情報です


【ものづくり】
NEJIRO
岡田 光弘(おかだ みつひろ)さん

都会に出ても、岡田さんの心の中にはいつも故郷の海の風景がありました。大阪の大学で建築デザインを学び、会社勤めののち起業して懸命に働きます。知識と経験を携えて2010年に帰郷。海の景色を生かした交流拠点を作りたいと、カフェ、アンティークショップ、ゲストハウスと次々に店舗を手がけ、町の雇用と出会いを生み出しています。



大阪で学んだ知識と経験を身につけ郷里に帰る

幼い頃からタコ釣りなどをして遊んだ、穏やかな三原の海が大好きな岡田さん


ものづくりを趣味とし、都会で学んでみたいと大阪芸術大学の建築学科に進学した岡田さん。しかし、心の中にはいつも故郷の海の景色があったそうです。

学校で勉強したのはおもにデザイン。

卒業後は学びを生かしてフラワーアレンジメントの会社でデザインを担当し、その後「自分で何かやってみたい」と起業を決意します。

家具を作って販売したり、イベントなどに出店したりと、岡田さんの知名度は上がっていった

徐々に仕事も増え、そのセンスを見込まれ「家のリフォームを手がけてほしい」「店舗を改装してほしい」と依頼を受けるようになりました。

無我夢中で働き、気付けば大阪での暮らしも10年以上に。

日々の仕事に忙殺されていく中、心にあった故郷の景色が恋しく感じるようになりました。

「もう十分に経験は積んだ。三原に帰ろう」。自然とそう決めることができたと言います。



大好きな海の景色を生かした、交流拠点となる場所づくり

帰郷し、目に飛び込んできたのは懐かしい故郷の海


三原に帰って来た岡田さん。心癒される瀬戸内海の風景を生かす仕事がしたいと、まず取り組んだのは交流の場となるようなカフェのオープンでした。個人邸宅として使われていた海沿いの物件を買い取り、たった一人でリフォームを行いました。

店名は『NEJIRO cafe』。

交流の“根城”にという思いが込められています。

建物を手がけ、もっと総合的にインテリアをプロデュースしたいと、次に作ったのはアンティークショップ。

実家が質屋を営んでいることもあり、経年した味わいの家具や雑貨をまだまだ使ってほしいという気持ちもあったそう。

そして、現在取り組んでいるのは、三原でゆっくり過ごしてもらえればと建てたゲストハウスです。

岡田さん自ら、リフォームを行う


海沿い、駅裏、山の上と、人の流れと景色を考慮した店舗は3店舗に及びます。

岡田さんが手がける事業は、実家の家業も含んだ『NEJIROグループ』へと広がりました。



事業の拡張が雇用と出会いを生み出していく

事業が大きくなるにつれ、各々の場所で働く人を増やさなければなりません。

現在岡田さんの仕事のパートナーは小中学生の頃の同級生が務め、カフェでは地元の主婦が活躍しています。

長年地元にいるメンバーだからこそ生まれるアイデアも多く、「地域内で男女が出会う場所が少ない」という声を受け、ゲストハウスでの婚活パーティーを始めました。

2019年春に16回目を迎えるこの婚活パーティーは、のんびり海を眺めながらバーベキューをするなどおだやかな雰囲気が好評で、多数のカップルが成立。

すでに結婚して、三原に在住している夫婦が2組いるのだそうです。

「雇用や出会いが生まれ、少しでも町のにぎわいづくりに貢献出来たら」と岡田さん


そんな岡田さんの次なる目標はバルセロナで本場の建築を学ぶこと。

「2~3年のうちに必ず行く気でいます。そしてまたむこうで得たものを、この町に還元していけたらいいですね」と語ってくれました。