「まずは自分自身が楽しく」をモットーに、大好きな久井町で家具・空間づくりに情熱を注ぐ三兄弟
この記事は、2019年2月取材時点での情報です
【ものづくり】
サクラサク(SAKURASAKU)
植原健司(うえはら けんじ)さん
三原市北部に位置する自然豊かな久井町。桜の木に囲まれた閑静な場所に、植原三兄弟が営む家具・建築工房「サクラサク」。代表を務めるのは、家具職人の経歴を持つ長男の植原健司(うえはら けんじ)さん。手加工にこだわり、使う人の心地良さを考えた家具・空間づくりは多くの人を魅了しています。
目指すのは、家具から始まる空間作り
サクラサクではオーダーメードの家具製作を中心に、最近では一般住宅や店舗の建築工事まで活動の場を広げています。
「僕らが目指すのは、家具から始まる空間作り。家具単体ではなく、暮らし方そのものを提案していきたいですね」。
例えば住宅のオーダーを受けた時、植原さんが最初に質問するのは「何人家族で、どんな食事スタイルなのか?」ということ。
「ご飯は家族全員で食べたい」「友人を呼んでみんなでワイワイ食べるのが好き」など、まずそれぞれの食事スタイルに合わせてダイニングテーブルを決め、そこからキッチンやリビングといった間取りを考えていきます。
久井=クリエイティブで面白い人が多い町!
生まれ育った久井町が大好きで、独立して店を構える際も「できれば久井で」と考えた植原さん。
「久井って、実はクリエイティブな町なんです。面白い人が多く、ワクワクする出会いもたくさんあります」。
三原市全体をみても、周辺の町より自由度が高いと感じているそう。
「隣町の尾道と比べても、店の数も移住者の数もまだまだ少ないですよね。だからこそ、新しいことに挑戦できるし、チャンスのある町だと思うんです」。
友人・知人からの紹介や商工会の活動などでたくさんの人との出会い、大きな影響を受けてきた植原さん。なくてはならない存在になっているのが、自身が主催し、毎年4月に行われるお花見イベント「桜咲桜会」。
三兄弟の友人から地域の人、通りがかりの人まで、誰でもウェルカムな愛情あふれるお祭りで、昨年は約500人が「サクラサク」に集まり盛り上がりました。
次世代の子ども達が「ここで暮らしたい!」と思う町に
「僕らの子ども世代が何かをしようと思った時、東京などの都会で暮らすのもいいけど、一旦都会に出て久井に帰ってくるというビジョンも持てるようにしてあげたい。久井でも面白いことができる、久井って楽しい町なんだって知ってもらいたいんです。そのために大事なのは、自分自身が楽しみきることかな」。
年齢を重ねても、好奇心旺盛で遊び心を忘れない植原さん。
キラキラと目を輝かせながら地元への思いを語る姿を見ると、こんな人がいる町ならきっと楽しいはずと思わせてくれます。
「サクラサク」もただの家具店ではなく、誰でも気軽にふらっと遊びに来れる存在にしたいのだそう。
「洋書やツリーハウスの本を読みに立ち寄ってくれてもいいし、外のテーブルで勝手にお弁当を食べてもらってもいい(笑)」。今後、敷地内にショップをオープンする予定もあるそうで、ますます久井町が楽しくなりそうです。