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Vol10 小坂チンコンカン踊り

開催時期:8月14日(日)~16日(火)
特徴:大太鼓、小太鼓、鉦と赤い衣装の小鬼が見守る牛供養と雨乞いの踊り

​ちんこんかんと音がなる

「ちんこんかん」は、毎年お盆の8月16日に、大須賀神社に奉納される踊りで雨ごいと、牛馬の安全を祈った太鼓踊りです。

昔は三原の各地にあり、各々で、踊りを奉納していましたが、平成10年には声かけをして合同で行うようになったそう。

平成19年には地域のちんこんかん踊りを集めた『三原市ちんこんかん顕彰会』が結成。地元小学校の保存会など、祭りの参加者も増え、平成27年には団体全体で200人を超える踊り手がいたそうです。

小坂チンコンカン踊り

その一つである小坂チンコンカン踊りは、赤い衣裳の小鬼役の一人が破魔矢を持ち、二人が六尺棒を回して打ち合いをするのが特徴です。

地面に据えた3つの大太鼓を跳ねながら力強く打ち、鉦と小太鼓も拍子を合わせて迫力のある太鼓踊りを見せてくれます。

地域の子どもたち主体で踊りを継承

実は一度途絶えたことのある小坂チンコンカン踊り。
「昔は青年団がやっとったんじゃけど、一度途絶えてしまってね」と三原チンコンカン顕彰会事務局長の佐木さん。
昭和40年代、当時の高校生を中心に地元の有志が「自分達でやらせてほしい」と寄付を募り、衣装などの道具も集めて復活したそう。

そんな経緯から、今でも高校生が主体となって練習の段取りやお金の管理もしており、大人は町内会の文化部を中心にバックアップをしています。

祭りから養われる社会性

小坂のチンコンカンは旗や、御幣を持って練り歩く『道引き』とともに一日目は町内の南半分、二日目は北半分、三日目は市役所や県立大学など三日間にわたり地域の300軒近くを巡って踊りを披露します。

地域の子どもたちにとっては、チンコンカンで貰えるお金が、最初のアルバイト代になる子も多いんだそうです。踊って回った家々で受け取るお金は、踊りにかかる費用はもちろん、子どもたちの出演料にも使われます。

出演料は高校生の頭(かしら)と幹部が相談し、一人一人、練習に出た日数や踊りの出来で決まるので、子ども達も真剣に練習に打ち込むそう。

盆行事初日の14日には盆踊り大会もあります。それに向けて里帰りする人も多く、小、中、高校生に、OBと地域の皆が集まる機会になっています。

「祭りを通じて、子どもたちには、地域を守っていくことを感じてほしいですし、それが郷土愛を育むということだと思う」と佐木さん。

コロナの影響で奉納は2年出来なかったそうですが、「今年は次代の継承のためにも合同奉納も含めて盆行事ができるよう準備をしています。」と語られました。

お話を伺った三原チンコンカン顕彰会事務局長の佐木学さん

この記事を担当しているママライターの紹介はこちらから→https://note.com/miharacity/n/n77f4f0543c64/edit

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