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「アート×地方」ANA meets ART“COM”に迫る ~交流編~

東京など都市部で活動するアーティストが、地方の人や文化と触れ合いながら作品を制作し、展示会を開くというアートプロジェクト「ANA meets ART“COM”」。全国3カ所で展開されているこのプロジェクトの舞台の一つに三原市が選ばれています。市公式noteでは、このプロジェクトを2回にわたって紹介しています。

前回の記事はこちら

この記事ではアーティストと三原の人たちとの交流について紹介します。

市民団体「ミハラスパイス」との出会い

昨年秋、都市部のアーティスト8人が作品作りのために三原を訪れました。そのときに市内を案内したのが、市民団体「ミハラスパイス」の皆さんです。
「三原に刺激を」を合言葉に活動している団体で、メンバーはミュージシャンや料理人、建築家にデザイナーと多種多様。プロジェクトでアーティストが三原を訪れていることを知り、自らアテンド役を買ってでました。

ミハラスパイス

▲多種多様のメンバーが集まる市民団体「ミハラスパイス」(後列左から2番目が清水さん)

「プロジェクトの話を聞いたとき、なんか面白そうなことが始まる気がしたんです。全国3カ所の中から、わざわざ三原を選んで来てくれる人もいると聞き、せっかくなら自分たちがまちを紹介したいと思いました」とメンバーの清水昌宏さん。仕事の合間を縫って、一緒に市南部にある佐木島を巡ったり、名物の三原だるまの制作現場を見学したりするなど、市内の“ここ”と思うところを案内しました。

アテンドの様子

「まちの見方や感じ方が僕たちと全く違い、新鮮でしたね。よくある観光スポットよりも、生活に根差した場所に興味を持たれていました。都会から来た友だちと一緒にまちを回っているような感覚で、とても楽しかったです」と振り返ります。それと同時に「三原を訪れたアーティストの作品が飾られる展示会『マイクロビエンナーレ』を盛り上げたい」という思いが込み上げてきたと言います。

展示会を暖簾で盛り上げる「ノレン ト アート ミハラ」

展示会を盛り上げるため、メンバーはアイデアを出し合いました。いろんな意見が出ましたが、最終的に決まったのが「ノレン ト アート ミハラ」。アーティストの作品を暖簾にプリントし、市内の飲食店に設置してもらうというものです。会長の渡邉一康さんは、「暖簾は目立つので、より多くの人に作品を見てもらうことができると思いました。また飲食店を盛り上げることにもつながると思ったんです」と暖簾をテーマにした理由を語ります。

会長写真

アーティストと一緒にデザインについてのミーティングをしたり、飲食店への協力を呼び掛けたりするなど、準備に奔走。「アーティストの皆さんは、熱量やスピード感などがすごく、とても刺激になりました」と話します。結果的に市内約10店舗に暖簾を設置し、その様子はメディアにも取り上げられるなど、注目を集めました。渡邉さんは「アーティストの皆さんは三原のまちを独自の視点で切り取って作品に表現しています。三原の人たちが暖簾を見て『私たちが普通だと思っていた風景などは、実は素晴らしいものだったんだ』と感じてもらえると嬉しいですね」と目を細めます。

むすび ノレン

出会いは作品にも影響を

プロジェクトに参加したアーティストの1人、写真家の中川淳さんはミハラスパイスとの出会いは作品づくりにも影響を与えたと言います。「最初の頃は、1人でまちを回っていたんですが、限界を感じていました。そんなときにミハラスパイスのメンバーと出会い、一緒に行動することになったんです。土地勘や人脈があることで、地元の人と交流できたり、知らない場所に行けたり、一気にまち歩きの深みが増しました。楽しかったのはもちろん、作品がより濃い物になったと思います」と話します。

中川淳さん

三原の印象については、「住みやすい街だと思いました。ANAのスタッフの方が『三原の魅力は“人”ですね』と言っていましたが、その通りだと思います。作品を展示するために、三原を再度訪れたときも、ミハラスパイスのメンバーが、同級生が帰ってきた時のように喜んでくれて、嬉しかったですね。それぐらい三原に溶け込むことができたのは私の財産だと思います」と語ります。

取材を通して

今回の取材を通して、私はより三原のことを好きになれた気がします。アーティストの皆さんが作った作品は、私が当たり前だと思っていたまちの「人」「物」「景色」が、実はとても得がたい物だったことに気付かせてくれました。取材をする前は、正直なところ「アート×地方」にいまいちピンときませんでしたが、今は違います。土地には、その土地ならではの魅力があります。私の住む三原にも、まだまだ眠っている「好き」がたくさんありそうです。それを掘り起こせるのが、「アートなんだな」と学びました。
展示会は2月14日(日曜日)までです。会場で「アート」をそして「三原」を感じてみてください。

開催情報

ANA meets ART“COM” ビエンナーレ
と き 令和3年2月14日(日曜日)までの金・土・日曜日と祝日10時~17時
ところ CINEPATIO(シネパティオ)三原市港町一丁目7番16号
入場料 無料
https://www.ana.co.jp/ja/jp/domestic/promotions/art_com/

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