Vol3 久井町吉田のペットボトルイルミネーション「冬ホタル」
今年の全体のテーマは “新しいスタート ”です。コロナ禍で 2020、2021年は縮小して行ってきましたが、今年は各地でイベントが開催されるようになったこともあり、新しい気持ちでスタートさせたいという思いと、プロ野球のカープが新井監督を迎えたことも兼ねて、決めたそうです。久しぶりの制限なしの「冬ホタル」はどんな幻想を見せてくれるのでしょうか。
始まりはゴミの活用
2000年、リサイクルステーションに集まったゴミの分別作業をしながら、きれいなペットボトルを何かに利用できないかと思い、考えたのがイルミネーションでした。それから、様々な地域のイルミネーションの視察に行き、試行錯誤しながら作りあげました。始めた年は会場のグラウンドの 4分の1くらいの広さでしたが、テーマに沿って作品を追加していくうちに、グラウンド全体に広がり、使うペットボトルは 3万5千本くらいになりました。
1ヶ月かけて準備
12月1日の点灯式に向けて、 11月に入るとすぐに準備を開始します。約 10名の会員が8メートルほどの塔などを組み、それぞれが仕事の合間には細かい作業をしていきます。寒さで手がかじかむ時もありますが、帰省した子ども達の喜ぶ顔を楽しみに頑張ります。
毎年テーマが変わる
イルミネーションには毎年、テーマをつけています。桃太郎や浦島太郎などの昔話から作ったこともあれば、その年に流行したものから考えることもあります。シンデレラをテーマにした時は、 LEDライトがまぶしすぎるほどだったそうです (笑) 「恋人の聖地」を参考にして、ハートの輪っかもつくりました。訪れたカップルから「結婚しました!」と手紙をもらったこともあるそうです。
地域全体で協力しあって盛り上げる
観光バスで遠方から大勢が見に来てくれた年もありました。バスの到着時間に合わせて、一斉に点灯すると歓声があがります。グラウンドだけでなく、自宅周辺にイルミネーションを飾ったりと、過疎化が進む中、地域みんなで盛り上げているそうです。 コロナ禍より前には毎週土曜日に、うどんや餅のバザーも行いました。寒い夜に食べるうどんを「四国からのお客さんも美味しいと言ってくれたんよ」と前石さんは笑っていました。
吉田地区の取り組み
この吉田地区では、冬のイルミネーションのほかに、 10月頃、アサギマダラという鮮やかな模様で人気のある蝶々が観察できます。住民がアサギマダラの好物であるフジバカマを栽培しており、昨年 2021年に続き、今年も数十匹観察することができました。九州から蝶々を見にやってくる人もいて、にぎわいを呼んでいます。
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