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Vol9 本町の半どん夜市

開催時期:6月下旬から8月第1週までの毎週土曜日
特徴:地元商栄会と町内会が盛り上げる夏の風物詩

子どもたちの喜ぶ姿が見たい

三原駅からも近いこの本町は、かつては店も人通りも多く、とても賑やかな町でした。三原市の夏の風物詩である「半ドン夜市」は大正14年にこの本町から始まりました。かつては各商店が主体となっての開催でしたが、商店の数が減少していく中、2002年からは地元の商栄会や町内会を含む「半どん夜市実行委員会」によって開催されています。
 
夏の土曜日、夕暮れ時の18時になると、道沿いの提灯に明かりが灯り、ソースの匂いや賑やかな声が通りを包み込み、何十年と変わらない情景が郷愁を誘います。この日ばかりは、人口の減少や少子高齢化が進んですっかり寂しくなった町が親子連れなどで賑わい、子どもたちの楽しそうな声が響きます。

町を賑やかにしたいという思いで参加し始めた「いろは」

「町をにぎやかにしたい!」という思いから、「いろは」でも7年前から出店側として夜市に参加するようになりました。
いろはのメンバーは30人ほどいますが、その半数以上が夜市に参加しています。
古着や家庭用品のバザーや、サロン活動で作成した作品の出店もありますが、一番人気は味噌田楽です。
「秘伝」と言う味噌はメンバーが集まって調合しています。コロナ禍で中止になってしまった前年は、味噌だけでも欲しいと問い合わせがあったというほどの人気商品です。
夜市は文字通り夜に始まりますが、こんにゃくを茹でるのは昼過ぎの暑い時間帯で、汗をかきかき、交代しながら準備しています。
その他の商品は年によって変わることもあるようですが、豪雨で中止になって仕入れた生物の扱いに困ったこともあり、リスクがあるものは避けています。
メンバーはほとんど60代~70代であり、2か月にわたって毎週続く夜市なので、運営側も大きな負担にならないように、楽しめるようにと工夫しています。
子連れで遊びに来てくれたり、町に人通りが増えるのを見るとやりがいを感じると言います。
いろは副運営委員長の岡田博司さんは、コロナ禍で2年中止にせざるを得ませんでしたが、「伝統のある半ドン夜市を、形を少しずつ変えてでもつづけていきたい」と話してくれました。今年はその一歩として、すでに味噌の仕込みが始まっているそうです!
本町は、毎年2月末にある「おひな祭り」の会場となります。残念ながら「おひな祭り」もこの2年は規模を縮小しての開催になっていますが、本町でも本通り沿いにお雛様が並びました。これも「続けていかないと、忘れられてしまうから」という町の人たちの思いが形になりました。
半ドン夜市も、本町の人たち、「いろは」のメンバーの思いで続いていくことでしょう。

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