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燻製を作りながら、ギターを片手にライブ活動。田舎だからこそできる二刀流生活


この記事は、2019年2月取材時点での情報です


【食づくり】
燻製工房シンズスモーク
杉川伸二(すぎかわ しんじ)さん

燻製と音楽。

なかなか結びつきにくいこの両方を、二足のわらじとして活動を行っている方が三原に住んでいます。

杉川伸二さんは燻製を作って販売するかたわら、ライブ活動やギター教室など、音楽活動を続けているのです。

そんな杉川さんに、「二刀流」を始めた経緯や今後の展望などについてお話をうかがいました。



アメリカで見つめ直した音楽への思い、そして燻製との邂逅

1997年に燻製工房SHIN’SSMOKEを開業


燻製工房シンズスモークの杉川伸二さんは、ギタリストでもあります。

音楽を始めたのは中学生の頃。

「就職を機に一度は音楽からは離れてしまったんです」と杉川さん。

就職先は建設会社。しかし数年で仕事を辞め、単身アメリカへ。

「特に目的があったわけじゃなく、いろいろ見て回りたかったんです」。と話す杉川さん


アメリカで、本格的に音楽を学び直そうと思い立ちます。

「音楽をやりながら、アルバイトで日本食レストランで働いたんですが、そこで食への興味が湧きました」。

そんな時に出合ったのが燻製でした。

最初は自身で食べるためだけに作っていたそう。音楽で行き詰まった時の気分転換にもなったのだとか


燻製は一度上手くいったからといって次も同じように作れるとは限らないのだそうです。

「その奥深さにも魅力を感じたんです。でも、それを仕事にしようなんて、その頃は思いもしませんでしたよ」。



三原への移住と、燻製工房のスタート

7年のアメリカ生活を経て帰国した杉川さん。

再び建設会社で働き始めましたが、音楽との両立が難しく、職を離れることに。

そして「音楽をしながら続けられる仕事は何か」と考えた時、燻製の販売のことが頭に浮かんだのだそうです。

三原に移り住んだのはちょうどその頃。

「三原出身の妻が、三原の有機農法の先駆けで若い農家さんの支援をしている坂本圭子さんと知り合いだったんです。それで燻製を作るなら田舎がいいだろうと、ここにやってきました」。

三原に住むにあたり空き家も紹介してもらったそう


20年以上前の始めた当時のことを尋ねると、杉川さんは苦笑しました。

「当時は燻製もあまり認知されていなくて、アンタんとこは剥製作っとるんか、なんて言われましたよ」。

それでも地道に研究を重ね、製法にこだわった杉川さん。

徐々にその仕事ぶりと燻製の味が評判となり、今ではお客さんも増え、三原のみならず近隣の市町から訪れる人もいる




燻製と音楽で、三原をもっと面白く


杉川さんの作る燻製は魚介が中心。サワラやサバ、穴子が人気なのだそう

「魚介は日や季節によって入荷が安定しませんから、通年で販売できる豆腐やチーズ、卵にナッツなども作ります」。

また本郷公民館では教室を開き、燻製の作り方をレクチャーする活動も行っています。

そのかたわらギタリストとして音楽活動も行い、仲間たちと三原や尾道で定期的にライブを開き、三原市で毎年11月に行われる三原浮城祭りでも毎年演奏しています。

また地域のセンターなどではアメリカ音楽研究会という勉強会や、月2回のギター教室も行っているそう。

三原に移ってきたことで、のんびりと音楽と燻製作りの二足のわらじを履きこなしている杉川さん。

「できたら燻製バーを開きたいと考えています。飲食店にすると肉類も提供しやすくなるんです。もっといろんな燻製を、いろんな人に楽しんでもらいたですね」。

三原は地味に見えるけど、実は面白い人がたくさんいる、と杉川さん。

そんな人たちと共に、音楽や燻製を通して何か面白いことができないか、今も試行錯誤中です。


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