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家族で作る無添加スモークチキンが人気。豊かな自然の中で、鶏も家族も健やかに暮らす


この記事は、2019年1月取材時点での情報です


【食づくり】
久井高原のスモークチキン小屋
梶谷剛(かじや つよし)さん

祖父の代からこの地で養鶏場を営み、現在は年間に60万羽を出荷。梶谷さんは父母が作るスモークチキンの製造・販売を始めました。

添加物の少ない調味料によって味付けされ、サクラのチップで燻してつくるスモークチキンは全国で評判になっています。

スモークチキンは、モモ肉、ムネ肉、ごぼう入り、チーズ入りの4種


梶谷さんは養鶏場経営と同時にスモークチキンの製造・販売と多忙な毎日です。



三原へは、30歳を前に家業の養鶏場を継ぐためにUターン

梶谷さんが東京から三原にUターンをしたのは28歳の時。

「30歳までには」という気持ちと、東京の仕事と人間関係に疲れ体調を崩してしまっていたことがUターンの理由だったと言います。

自宅から車で5分の距離にある鶏舎


21棟もの鶏舎で、年間約60万羽を出荷している養鶏場が梶谷さんの実家です。ここ久井町は夏は涼しく水も良いため、暑さに弱い鶏の飼育には最適な環境。

エサには抗生剤を使わずアワやヒエ、米などを与えることによって健康でうま味のある肉質になるのだそう。

スモークチキンの販売を始めたのは35年ほど前からで、梶谷さんのご両親が久井町内を中心に、贈答用として製造販売をしていました。

スモークチキンの販売のピークはクリスマスシーズン。

それ以外のオフシーズンに「製造施設が動いてないのはもったいない」と考えた梶谷さんは、全国の燻製好きの人が自分用に購入できるようにと、10年前からネット販売を始めました。

燻製器のメンテナンスは父、味付けや燻製作業は母、販売は梶谷さんと、家族で製品作りを行なっています。



8日間かけて作る手作りの味。ファンは全国に広がって

スモークチキンは塩、砂糖、香辛料に漬け込んで乾燥させ、専用の燻製器で燻して冷ますという手間のかかるもの。

燻す際には、国産のサクラのチップを使用


スモークチキン完成までの全行程は8日間にも及ぶ


保存料などの添加物を使わず手作りであることがモットー。飼育環境や、鶏に与えるエサには乳酸菌を配合し、鶏の腸内環境も整えている。

手間暇かけて育てた鶏肉のうま味と、香ばしい香りが全国で評判を呼び、インターネットなどのリピート注文が後を絶ちません。

添加物を使っていないためペット用向けのササミも好評なのだそう


「味、香り、そして素材の安心感をわかってくださるお客様が多く、『ここのじゃないと』と言ってくださるお客様も多いんです」と梶谷さんは胸を張ります。



豊かな環境で作ったスモークチキンを、新しい三原の特産品に

養鶏場では鶏の品質管理や病気予防、出荷といった業務を行ない、スモークチキンの販売業務多忙な日々をこなす梶谷さん。

自宅で開業されている動物病院の仕事を手伝うこともあるそうです。

両親の家とスモークチキンの加工場と梶谷さんの自宅は目と鼻の先。

「三原にUターンした後、家族ができて、さらに地域の行事に参加することが増えたせいもあり、東京時代より忙しくなりましたね。あの頃と比べると収入は減りましたが、ここでの暮らしは不思議と疲れを感じないんです。おそらく三原の暮らしは自分に合っているのでしょうね」と梶谷さん。

自宅前の畑でポニーやヤギも飼っており、小学5年生(※取材当時)を筆頭にした3人の子ども達もこの町でのびのびと暮らしている


仕事と家族、地地域との関わり、そして三原の発展という目標を持っていることが梶谷さんの日々の充実につながっているようです。


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